IT化したはずが楽にならないですね・・・

 今は、日本中の会社で年度末締め、決算準備で忙しい盛りだと思います。ウチの会社も期末日だけは、夜遅く残る方が多く、ちょっと異様な雰囲気に包まれるものです。この風景は、昔も今も変わらないな・・・・と思いました。そこで沸々と湧き上がる疑問あり!<span style="font-weight:bold;font-size:large;">昔より格段にIT化が進んだのに、なぜこの風景は変わらないのだろう!?</span>IT化したはづが、全然楽になってないじゃない!これは当社だけの問題なのか???

 僕は、もちろん当社だけの問題ではなく、世の中全体の風景だと思っています。なぜって、街を闊歩するビジネスマンが携帯電話という首輪でつながれ、いつ何時かかって来るかもしれない客先や上司のコールにおびえている、または、暇があればパソコンにしがみついている光景は、世間一般ですよね?また、ありがた迷惑の部類になるのですが、新幹線N700系に無線LANがあるので、ゆっくり移動中に休むことも・・・なんだか後ろめたくなるじゃないですか・・・。僕は、こういった風景が変わらない理由は、以下にあると思うのです。

 

 


<span style="font-weight:bold;font-size:large;">【IT化によって情報量が爆発的に増えすぎ:増加×混乱=複雑化】</span>

 身近なものに、メール、チェーンメール、インターネットがあり、これは容易にイメージがわくと思います。極めて便利になりましたが、飛び込んでくる情報が極端に増えて処理できないという思いはありませんか?だれにでも心当たりがあると思います。このあたりに楽にならない理由がありそうですが、そもそも情報が『増加』するだけでは、忙しい理由にはなりません。<span style="font-weight:bold;font-size:large;">情報が多くて『混乱』しているから、情報全体が複雑化している</span>からなのでしょう。それではなぜ『混乱』したのでしょう?

 

<span style="font-weight:bold;font-size:large;">【IT化の「同報」という都合のよい機能が『混乱』させる】</span>

 eメールが分かりやすいですね。CC、BCC等、あて先が容易に増やせるようになりましたね。とりあえず関係あると思われる方全員に送りつけるというのはもはや習慣のようです。仮に同報先に漏れがあろうことなら、「私だけ村八分?」などと嫌疑を産むので、あて先を漏れないようにすることに必死になったりして・・・。こうやって、そんなに関係ない方も巻き込んでしまい、それが双方どなたでも重複してしまう・・・。混乱はこうして起こるのではと考えます。

 また業務オペレーションシステムも、厳密化と恣意性排除から、第三者のチェックを業務フローとしてわざわざ取り込んだりするものだから、余計に手間がかかったりすることって、良く見かけると思います。

 

<span style="font-weight:bold;font-size:large;">【情報を扱う人間そのものが未発展:IT/人の間のスピード化にGAP】</span>

 複雑な計算を機械にさせるだけだから、人間が未発展だというのはナンセンスだ!という意見もありだと思います。しかし、昨今、いろいろな報告書がちょっとした文庫本の厚さ程になることありませんか?結局、まとめ版を別資料としてパワーポイントが必要だったりして。情報が集めやすくなったけど、それをまとめるのも人間だし、伝えるのも結局人間だし、受取るのも人間なのですから、機械やロボットのように処理できるわけじゃありません。逆にIT化された機械に人間が縛られているような構図も浮かび上がってしまいます。

 

 

<span style="font-weight:bold;font-size:large;">【ITツールによって見栄え重視傾向に?】</span>

 代表的なものとして、パワーポイント。これがビジネスマンの基礎能力をスポイルしていると言っても過言ではありません。昔は、言葉と数表、それと文章能力だけでやってきたわけですから。確かに図示できるパワーポイントは便利ですが、最近、パワーポイントの機能に人間が振り回せていて、芸術的すら思う図のてんこ盛り資料や、逆に殆どワープロとしか使っていないのに、影や強調だけを使いたいだけの資料など見かけられませんか?。

 説明が「プレゼン」というカッコいい名前に変わって、新しい業務が生まれたような錯覚。しかも、昔はアシスタントに任せるしかないワープロ作業が、今では、比較的簡単に使い勝手良くなったものですから、プレゼン担当者が直接作成したりして、考えるとう貴重な時間を削り、「作業」という時間に費やしてしまう・・・。

 

<span style="font-weight:bold;font-size:large;">【すでにIT化に問題解決の答えと考えている】</span>

 まだIT化が社内課題解決の糸口と考えている会社が多いようです。最近、IBMや、SAP等大手ベンダーをはじめとする、BI(ビジネス・インテリジェンス)というサービスがあるそうです。社内のSCMをはじめとするあらゆる情報を束ねて、データ・マーケティングに役立てるばかりか、将来の経営リスクまで予測し、前もってそのアラームに対する解決策を提示しようという・・・・まるで神様の箱のような考え方に、僕は聞こえました。

 これを使いたい!ただそれだけに、合う合わないという議論より前に、それに当てはめようとしてしまう・・・・、そして当てはまらない部分が余計に手作業としてパッチを当てるという処理・・・。それをどう役立てるかのイメージ以前に、その分析システム買ってしまったほうが楽ちんと考えてしまうのでしょうか??

 


 このように、極めて現場レベルから、中間管理層、経営幹部層まで、ITを十分に使いこなす前に踊らされているように思えてならないのです。しかし、IT化の流れは、止めようがなく、これによって社会は発展していくことは、間違いないのでしょう。<span style="font-weight:bold;font-size:large;">いずれにしても、勝ち負けは、ITといかに真剣に付き合っていくかという覚悟からでしょうかね・・・。</span>