上を向いて歩こう

 
 震災以来、「上を向いて歩こう」のフレーズをよく耳にしますね。テレビCMにもあるし、被災地の方々を勇気付けるためか、よくメッセージとしても目にすることが多いです。坂本九の歌うこの曲は、軽快なJAZZ風にも受け取れ、<span class="deco" style="font-weight:bold;font-size:large;">頑張ればなんとかなるさ、なんとかしよう!という前向きな気持ち</span>になるような気がしていました。

 

 

 先日、深夜にとある番組で作詞した永六輔氏のコメントが放送されていました。偶然見入ってしまいましたが、その歌詞を生み出した背景は、とても無為な虚脱感に覆われていたらしいんですよね・・・。これまで何となく前向きに受け取っていたのと裏腹で、意外でした。

 歌詞が作られた時代は、安保闘争の真っ只中で、学生・社会人のデモが頻発していたころ。世の中が騒然としていたなか、各々の正義心で苦しいなかで充実して生きていたのだそう。時代を変えてやろうと燃えていたのでしょうね。ところが東大安田講堂事件以降、形勢が衰え一気に瓦解していく・・・・。そして、学生運動そのものが消えてなくなる・・・。時代が一気に享楽的になっていきます。<span class="deco" style="font-weight:bold;font-size:large;">『俺たちがやってきたとことは、何だったのだろう!』と学生運動が瓦解したときに、その虚しさに震えて涙をこらえる。その情景を詩にした</span>のだそうです。

 

 

 「上を向いてあるこう」・・・この歌が生まれた時代は、熱く大衆が政治参加していたようですが、今を振り返ると政治の不条理対する不満やうごめきは同等なものの、大衆の政治意識としてはあまりにも低い気がします。<span class="deco" style="font-weight:bold;font-size:large;">上を向いて歩こう、そして、政治にもっと目を向けよう</span>・・。


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